Date:2017年5月26日
エンジニアの中村フミトと申します。今日から数回に分けてEndhits Studioの特徴をご紹介していきたいと思います。
Endhits Studioのスタジオ部分は決して広くはありません。(Endhits Studioレイアウト)
その中で、ドラムが良いサウンドで録音できることを最も重視しました。
メインのスタジオは適度な残響を持ち、狭い部屋にありがちな音が詰まった感じがありません。高域より低域の残響を若干長くすることでドラムのオーバーヘッドマイクやルームマイクの音が非常にバランスよく録音できることも特徴です。これはドラムだけでなく、ホーンセクションやストリングスカルテットなど他の楽器を録音するときにも良い方向に作用しています。
そして、2つのアンプブースを設けることで3リズム録音に対応できるようにしました。アンプブースは狭いながらもアコースティックギターやウッドベースも収録できるので、アコースティックな3リズムにも対応します。また、キーボード(またはベース)をライン録りすることで4リズムの同時録音も可能になっています。
音の入り口であるマイクロフォンは録音機材の中でも最も重要な要素のひとつです。
通常、Endhits Studioのような中~小規模スタジオにはマイクは必要最低限のものしか用意されていないことも多く、「キックとスネアにはD112とSM57、歌にはM149かU87、以上です」というようにマイクを選択できる余地がないこともよくあります。もちろんD112、SM57、M149、U87は素晴らしいマイクですが、それらがすべての状況に最適であるとは限りません。
Endhits Studioにはスタジオ規模以上のマイクコレクションを導入しました。
これは私自身がマイクが大好きということもありますが、多くの種類のマイクを用意することでレコーディングがよりクリエイティブになるからです。
当たり前のことですが、楽器が変われば出音は変わり、楽曲の方向性によっても最適と思えるサウンドは変わってきます。それに対してエンジニアは状況ごとにマイクセレクトとマイキングを決定します。そしてその結果、スタジオにいる全員が感動できるサウンドが得られたとき、それこそがレコーディング(エンジニアリング)の醍醐味であり楽しさです。
そんな楽しさを味わってもらえるように、Endhits Studioには、古くからスタンダードとなっているマイクから次世代のビンテージとなる最新のマイクまで、レコーディング作業がクリエイティブになるようなマイクコレクションを揃えました。
そしてマイクコレクションに関してもう一つ言うと、リボンマイクを多く揃えていることもEndhits Studioの特徴です。リボン型マイクはアナログテープ時代からある古い技術ですが、コンデンサー型ともダイナミック型とも異なる特徴をもち、現代のデジタルレコーディングにおいて有利な面がたくさんあります。
”リボンマイク”と聞くと「壊れやすい、保管が難しい、音がこもっている」と敬遠するエンジニアの方がたまにいます。確かにそういった面もありますが、その考え方は素晴らしいサウンドを得る機会を逃していることになると思います。
リボンマイクは、その特徴を理解して正しく扱えば素晴らしいサウンドが得られるので、ぜひEndhits Studioでその魅力に触れていただきたいと願っています。リボンマイクの魅力と特徴については、また次の機会にあらためて書きたいと思います。
明日はスタジオの顔であるコンソールとモニタースピーカーについてご紹介したいと思います。
Endhits Studioが気になった方は、ぜひスタジオに見学にきてくださいね!
~スタジオ内覧会のご案内~
日時
6月1日(木) 11:00~17:00
6月2日(金) 11:00~18:00
6月3日(土) 11:00~18:00
場所
Endhits Studio
東京都目黒区東山2-8-6
TEL:03-3714-3969
スタジオへの最寄り駅、地図はACCESSページをご確認ください。